
摂食障害の基礎知識【4】治療
摂食障害基礎知識シリーズ最後は、治療について。摂食障害はなりたくてなる病気ではありません。遺伝的要因があるため、予防法を取り入れていても発症することだってあります。そのもしもの時のために、治療についての知識を身につけておきましょう。

摂食障害の基礎知識【3】保護要因と予防法
摂食障害基礎知識第3弾は、ダンサーを摂食障害から守る術について。摂食障害のリスクを下げてくれる物事(保護要因)から、家やスタジオで実践できる予防法まで見ていきましょう。

自分を認めることで成長の幅が広がる
とある劇団員の方のお話しです。20代後半の彼女は過去に拒食症と過食症を経験しています。私のところに来たのは過食症が悪化してきた時。約1年続いた彼女とのセッションも今日で終わり。なぜなら摂食障害を克服できたから。そしてそのプロセスで、自分を認めることが出来たからです。そんな彼女のお話しをシェアします。
マインドセットをシフトする
休み明けは特にダイエット関連の「しなきゃ」が多くでてくる時です。ネガティブな部分だけにフォーカスしてしまうと、全体像も長期的なゴールもそれに伴うプランニングも全部ミスしてしまうし、非建設的なダイエットに走ることになってしまいます。だから、考え方を変えてみましょう。

ボディイメージと食事の関係
ボディイメージというのは自分の体に対する意識(捉え方)のことで、それによって生まれる(自分自身に対する)感情や思考も含まれます。人は価値がないものに対しては扱いが雑になるもの。だからボディイメージが低いと、無理なダイエットに走ったり、過食をしたり、体のケアやメンテナンスを怠ったりしてしまうのです。

スタジオで体重を計るべきか否か
スタジオで体重は計るべきではありません。すごく正直な話、スタジオで体重を計るということは、大きい(もしくは体重が増えてきている)生徒を咎める・たしなめる目的がありませんか?「大きい・太い・重いダンサーを見つけて減量させよう」という目的のもと、実施されているのがほとんど。これは、ダンサーにとってもスタジオにとってもマイナスなものしか生みません。

食べて痩せれば問題なし?
「すごーい、(そんなに)食べても太らないんだね!」とか、「そんなに食べたら太るわよ!」というコメントは、食べる力を奪います。このようなメッセージが蔓延すると、ストレスなどに対応するコーピングスキルが食事制限または過食、もしくは体重コントロール、という乏しいものになります。ダイエットのサイクルから抜け出せなくなってしまいます。自分の言動に注意を払ってみませんか?

摂食障害予防はまず「体重・体型」と「自分」を切り離す
「痩せればもっと自信がもてるのに」「痩せればもっとお洒落出来るのに」「痩せれば成功するのに」「痩せれば人に認めてもらえるのに」・・・そのような考えに支配されるようになるのは、今の世の中やバレエの世界では当たり前なのかもしれない。でも、ちょっと考えてほしい。それは、本 当 に そうなの?