グルテンフリーの落とし穴
ダイエット業界っていうのは定期的に新しいダイエット法を売り出さないと商売にならないから、それはまあ色んな「偏食」をクリエイティブな謳い文句つきで推薦します。
でもね、グルテンフリーダイエットをシリアック病じゃない人に「健康に良いから」って進めるのは誤解も良いとこだから、やめてほしい。
グルテンフリーダイエットはシリアック(セリアック)病の人のための食事療法です。
シリアック病っていうのは珍しい自己免疫疾患で、小麦・大麦・ライ麦とかに含まれるグルテン(タンパク質)に反応して、自分の免疫システムが腸を攻撃してしまうもの。
それで炎症が起きて腸からの栄養吸収が低下してしまうから、栄養失調が起きる。
放っておくと不妊や癌にもつながるから、シリアック病の人はこういう長期的リスクを避けるため(&症状を抑えるため)にグルテンフリー食を一生続けないといけない。
遺伝的なもので、欧米やオーストラリア(移民の国だからね)では比較的多くみられるんだけど、日本や他のアジアの国ではほとんど見ません。
それが、「なんか知らんが健康に良いらしい」っていうすごくアバウトな情報が広がって、今ではそこら中でグルテンフリーダイエットが流行ってる。
シリアック病じゃない限り、グルテンが腸を傷つけることはありません。
だからグルテンフリーダイエットも必要ありません。
もしも小麦・大麦・ライ麦を含む食品を口にして体調不良になることが続いたら、それは「シリアック病なんだ」って自己判断しないで、しっかりと検査をしないといけない。
なんでかっていうと、自己判断で先にグルテンフリーダイエットを始めると、万が一の場合に正確な検査結果が出なかったり、本当の原因が隠れちゃう可能性が出てくるから。
ちなみに小麦アレルギーの場合、必要なのはグルテン除去じゃなくて小麦除去だからね。
小麦フリーじゃないグルテンフリー(この二つ、似てるようで別ものだから)じゃ最悪アナフィラキシーになってしまいますよ。
Fumi x