摂食障害って何?【2】リスク要因と予防法
摂食障害は主に食べ方に症状が現れる神経性疾患。
摂食障害はなりたくてなる病気ではありません。
「痩せたいから」なるものでもありません。
バイオ・サイコ・ソーシャルといって、遺伝子、性分・性格(心理的・精神的状態など)、そして環境の3つが複雑に混ざり合って発症するものです。
それを理解した上で、ダンサー自身が自分の身を守るため、そして指導者・家族が大切な生徒・子供を守るためには、どんなことがリスクを上げてしまうのかを知り、予防につなげましょう。
摂食障害って何?【タイプ・影響について】
ダンサーの8人に1人、そしてバレエダンサーの6人に1人が摂食障害を患っています。
プロのダンサーの2人に1人が引退するまでに摂食障害を患います。
それなのに、ダンス指導者や治療家は、摂食障害に関するトレーニングをほとんど受けていません。正確には、受けられる機会がほとんどありません。
これって、すごく危なくないですか?
正しい知識を身につければ、予防したり、早期治療を受けることが可能になります。
予防出来ればダンサーの健康やキャリアを守ることが出来る。
だからまずは摂食障害が何か知ってください。
過食の起因は制限にある
過食が起きる理由は2つあります。1つ目は、ダイエットなど何らかの制限を自分に課していること。2つ目は、コーピングスキルの欠如です。
過食をしている人は、罪悪感や羞恥心から、周りに相談するのを躊躇うため、1人で抱え込んでいることも多い。 でもね、過食は意志の弱さから来るものではないんです。
根本的な問題があって起こるもので、それに対処するスキルを身につければ治せます。
言って良いこと悪いこと
意図していなくても、自分が発信した言葉やメッセージが相手にネガティブな効果をもたらしてしまうことは沢山あります。それは必ずしも言った本人が悪いということではありません。
よく、「ダンサーの自己肯定感を上げる言葉掛けってどんなのがありますか?」や、「摂食障害治療中の生徒にはどんな声掛けがいいんでしょう?」と聞かれることが多いのですが、もちろん何を言うかは大事。でもね、どんなことを言わないか、の方が大事なこともある。言うことではなく、言わないことで、その人の本質が見えてくることがある。
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言葉の影響力を考えるということは、結果を考えるということ。ネガティブな言葉や、完璧主義で自分にきつく当たってしまう場合、それはどんな結果を生んでいるのでしょう?そしてその結果は自分が望むもの?必要としているもの?
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RAD学会にプレゼンターとして参加してきました。勿論内容はダンス栄養学&摂食障害について。ダンサーのココロのケアについてカバーしているプレゼンテーションが思った以上に多く、そのためとても有意義なディスカッションもありました。
ストレス対処法:コーピングスキルの培い方
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