摂食障害って何?【2】リスク要因と予防法
摂食障害は主に食べ方に症状が現れる神経性疾患。
摂食障害はなりたくてなる病気ではありません。
「痩せたいから」なるものでもありません。
バイオ・サイコ・ソーシャルといって、遺伝子、性分・性格(心理的・精神的状態など)、そして環境の3つが複雑に混ざり合って発症するものです。
それを理解した上で、ダンサー自身が自分の身を守るため、そして指導者・家族が大切な生徒・子供を守るためには、どんなことがリスクを上げてしまうのかを知り、予防につなげましょう。
リバウンドが起こるのはどうして?
ダイエットするとリバウンドします。何故なら人間の生存メカニズムは飢えと戦うように出来ているから。
身体は、ダイエットでエネルギー摂取量が減った場合、その低下に合わせて代謝を落として消費エネルギーを抑えるメカニズムになっています。
目先のダイエットや痩せ美学に騙されずに、自分の身体と真摯に向き合ってしっかりと栄養を与えて、踊れる身体を培ってね。
夜遅くには食べない方がいい?
ダイエット本などによく出てくる、夜の何時以降は食べないっていうルール。これほど人間の体のニーズを無視したアドバイスってないと思う。寝ている時でも身体はエネルギーを必要とします。エネルギー不足の状態で寝てしまっては、身体的向上どころかリカバリーすら出来なくなってしまいますよ。
相対的エネルギー不足(RED-S)
ダンサーの2~3人に1人が陥るのが、相対的エネルギー不足(RED-S)状態です。 これは名前の通り、エネルギーの摂取が消費にマッチしなくなって(下回って)しまうことで、身体の様々な機能に影響を及ぼします。携帯だってバッテリー充電するでしょう?ダンサーの身体も同じです。
RED-Sの予防・改善には、ダンサーの食行動のみならず、レッスン・スケジュールの調整が大きく影響します。ダンサーと指導者、両方が一緒に取り組む課題だということです。
ダンサーの無月経問題を放置しないで
ダンサーも保護者も指導者も、無月経を軽視している人が多い。そして無月経になっているにも関わらず、踊ることを許可する指導者が多い。これが後にダンサーのキャリアを台無しにすることも知らずに・・・。無月経は放置しないで早めに対処しましょう。そうすればダンサーの身体も強くなるし、20代後半で引退を強いられるということも減りますから。
「膝の負担を減らすために」ってダイエットを勧めないで
「膝の負担を減らすためにはやっぱり体重を減らしたほうがいいよ」というアドバイスをよく耳にします。見た目を避難しているわけじゃないし、身体の心配をしているからこそのアドバイスだから問題ない、と思っている人の多いこと!でもね、これ、間違いです。このアドバイスこそケガにつながります。