栄養価の高い低いって何?
栄養価が高いというのは、自分の踊る力を最大限引き出してくれて、成長をサポートしてくれて、生理周期のバランスを保ってくれて、体の内側からあなたの魅力を出してくれる、自分のココロとカラダ両方にパワーを与えてくれるもの。
踊る力が落ちたり、成長が止まったり、生理不順や無月経になったり、食べ物に対する不安や執着が大きかったら、それは栄養価が低いということ。
あなたにとって栄養価の高い低いはどんな基準で決められていますか?
夜遅くには食べない方がいい?
ダイエット本などによく出てくる、夜の何時以降は食べないっていうルール。これほど人間の体のニーズを無視したアドバイスってないと思う。寝ている時でも身体はエネルギーを必要とします。エネルギー不足の状態で寝てしまっては、身体的向上どころかリカバリーすら出来なくなってしまいますよ。
炭水化物が悪いのか、それともその考えが悪いのか
炭水化物が「怖い」。それは「炭水化物は太るから」や、「糖質は脂肪になるから」というダイエット的な考えから生まれます。もしも本当に身体にとって悪いものなら、そもそも主食として成り立っていないはずです。「炭水化物が悪い」からあなたを苦しめているのか、炭水化物は悪いという「考え」があなたを苦しめているのか、どちらなんでしょう?
ダンサーにとって最重要な栄養素は炭水化物
ダンサーの食事で足りなくなる栄養素ナンバー1は何だと思いますか?
炭水化物なんです。
ケガの多いダンサーほど炭水化物の摂取量が足りていないとか、10-12歳のダンサーでも制限をしているとか、大問題なことがいっぱい。
踊れる身体をつくるためには炭水化物は必須です。正しい知識を身につけて、十分に食べられるようにしましょう。
過食の起因は制限にある
過食が起きる理由は2つあります。1つ目は、ダイエットなど何らかの制限を自分に課していること。2つ目は、コーピングスキルの欠如です。
過食をしている人は、罪悪感や羞恥心から、周りに相談するのを躊躇うため、1人で抱え込んでいることも多い。 でもね、過食は意志の弱さから来るものではないんです。
根本的な問題があって起こるもので、それに対処するスキルを身につければ治せます。
スタジオで生徒の体重を計るべき?
スタジオで体重は計るべきではありません。
すごく正直な話、スタジオで体重を計るということは、大きい(もしくは体重が増えてきている)生徒を咎める・たしなめる目的がありませんか?
「今までもやってきたから」や「私もそうやって教えられたから」とかいう理由は直ちに捨てて、体重測定というものを見直してください。
相対的エネルギー不足(RED-S)
ダンサーの2~3人に1人が陥るのが、相対的エネルギー不足(RED-S)状態です。 これは名前の通り、エネルギーの摂取が消費にマッチしなくなって(下回って)しまうことで、身体の様々な機能に影響を及ぼします。携帯だってバッテリー充電するでしょう?ダンサーの身体も同じです。
RED-Sの予防・改善には、ダンサーの食行動のみならず、レッスン・スケジュールの調整が大きく影響します。ダンサーと指導者、両方が一緒に取り組む課題だということです。
言って良いこと悪いこと
意図していなくても、自分が発信した言葉やメッセージが相手にネガティブな効果をもたらしてしまうことは沢山あります。それは必ずしも言った本人が悪いということではありません。
よく、「ダンサーの自己肯定感を上げる言葉掛けってどんなのがありますか?」や、「摂食障害治療中の生徒にはどんな声掛けがいいんでしょう?」と聞かれることが多いのですが、もちろん何を言うかは大事。でもね、どんなことを言わないか、の方が大事なこともある。言うことではなく、言わないことで、その人の本質が見えてくることがある。