ボディイメージと食事の関係
日本で絶対的に足りていない情報・教育の1つが、ボディイメージについて。
ボディイメージはダンサーの自信や表現力にはもちろん、食事にも深く関係しています。
栄養素についていくら勉強しても、野菜の健康効果について分かっても、知識と行動が一致しないのはボディイメージが関わっているから。
ボディイメージって何?
ボディイメージというのは自分の体に対する意識(捉え方)のことで、それによって生まれる(自分自身に対する)感情や思考も含まれます。
自分の目に映る体と、それに対する自分の思考というのが存在していて、内的&外的な影響によって作られて、これはポジティブだったりネガティブだったりします。
そしてこれから生まれる自己評価によって人間は自分の扱い方をかえていくんです。
例えば自分のことを「太っていて可愛くない」と思っている場合、「太っていて可愛くないと思う=自己評価が下がる=否定=自分は価値がない」という考え方のルートが誕生する。
反対に、「自分の体はこういうことが出来て有難い」というプラスの感情がある場合、「有難いと思う=自己評価が上がる=自分には価値がある」という考え方のルートが誕生する。
ボディイメージが良いと体をケアする食事がとれるようになる
人は価値がないものに対しては扱いが雑になるもの。
だからボディイメージが低いと、無理なダイエットに走ったり、ドカ食いもしくは過食をしたり、体のケアやメンテナンス(リハビリとかね)を怠ったりする。
でも自分に対して「価値がある」という考えがあれば、その価値を大切にしようとするから、食事を丁寧にしたり、きちんとリハビリをしたり、もっと成長できるように自発的に行動するようになる。
自分の身体を慈しむようになる。
ストレスでドカ食い、とか食欲がなくて何も食べない、という負の結果につながる行動をとらなくなります。
「痩せなさい」という言葉はダンサーの向上を阻みます。
なぜなら体を否定してボディイメージを下げるから。
ひとつ、絶対に忘れてはいけないことは、私達の住んでいる社会は痩せや減量を評価して、太ることや太い体を嘲笑する社会だということ。
だからあなたが太っている人を直接馬鹿にするようなことをしなくても、誰かに「太ったね」や「痩せた方がいいよ」ということは、「今の(痩せていない)あなたは社会的な価値が低いんですよ」と言っているのと同じ。
言い過ぎだと思う?
言い過ぎじゃないよ。
痩せなさいっていう言葉に優しさはこれっぽっちもありません。
とても否定的な言葉なんです。
そして否定された人間というのは自分自信に対してネガティブな行動しかとれなくなる。
ダンサーに痩せなさいという言葉をかけるのは、そのダンサーの持つ自分自身をきちんと見つめて向上する力や、セルフケアをする力、そして踊る体に対するリスペクトを奪い取るということなんです。
自信のないダンサーの踊りって見ていて楽しい?
楽しくないよね。
のめり込めないよね。
憧れないよね。
自信をもっている人が全員ダンサーになれるわけではないけど、人を魅了するダンサーというのは必ず揺るがない自信をもっています。
それを育てるためには、ボディイメージを大切にしていかないと。
自分も、周りも。
今、出来ること
あなたが指導者で、生徒にもっと良い食事をとってほしいと思っているなら、まずは生徒自信の身体に対する思いやりを育てることに目を向けて。
あなたが生徒・ダンサーで、「どうしてもお菓子ばっかり食べちゃう」とか、「十分に食事をとれていないのは分かっているんだけど直せない・・・」と悩んでいるなら、「これが自分の身体にとって良くないってわかっているのに、どうして私は自分の身体を大切にできないんだろう?」って自分自身に聞いてみて。
関連記事:ボディイメージ向上法